この本は最近、収監されたライブドア元社長の堀江さんの処女小説です。奥付を見ると2010年6月30日とある。もう1年前の本なんですね。考えてみるともっと前に発行されている気がします。内容は、謎のオッサンに導かれ主人公の青年がビジネスで成功する物語です。
冒頭の鳩ボールのエピソードには考えさせられるものがあります。鳩の集団にパンを投げると、鳩たちはそれに全力で殺到し、新たなパンには気づかない。集団ヒス。社会のいろんな所で見られる現象ですね。
また、次に登場するエピソードは、実際のソ連の狐の研究の話。毛皮を取るために狐を交配する研究をしていた。しかし、狐たちは飼いならされていくうちに、懐くようになり、よく遊び、しっぽを振り、犬のように吠え、体毛が変化しイヌ化していった。等の科学的な小ネタが散りばめられていて、楽しく読み進めることができます。
本作の主人公は鳩レースをモデルにしたゲームの開発会社を立ち上げます。この過程が、面白い。昔、自分オリジナルのゲームを妄想していた私は、わくわくしながら読み進めました。ゲーム開発ネタとは!ネタのチョイスが上手いですね。ゲーム世代に受けるネタを選んでます。
ホリエモンは読者を楽しませるというサービス精神に溢れている書き手だと感じました。何事にも全力を傾ける氏の特徴が本当に現れている作品です。
- 作者: 堀江貴文,佐藤秀峰
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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